直訳では中年の危機であり、主に40代から60代の中年期に経験する心理的・感情的な危機状態を指します。
この時期に多くの人が自分の人生やアイデンティティ、将来について深い葛藤や不安を感じます。
アメリカの心理学者ダニエル・J・レビンソンによると、40代から50代にかけて約8割の人が危機に直面するとされています。
ミッドライフクライシスの特徴
中年期は身体的、社会的、家庭的、心理的に変化の多い時期であり、安定と不安定、獲得と喪失が共存します。
スイスの精神科医カール・ユングは、人生を太陽に例え、太陽が最も高く上り、そして落ちていく中年期に感じる憂いや悩みを
「ミッドライフクライシス」と呼びました。
この時期は「第二の思春期」とも呼ばれ、若い頃に確立したアイデンティティ(自我同一性)が変化や揺らぎを経験します。
中年期は自分自身を見つめ直し、これまでの選択や経験、価値観を再評価する時期でもあります。
ミッドライフクライシスの精神的・心理的な症状
- 感情の不安定さと自己評価の低下
- ミッドライフクライシスでは、感情が不安定になることが特徴的です
- 突然悲しくなったり、過去の選択に対して後悔の念を抱いたりすることが多くなります
- また、感情が揺れ動くことで、自己評価が低くなり、自分の価値を見失うこともあります
- 「自分には価値がないんだ」「何も成し遂げていない」「自分の人生は失敗だった」「残りの人生は楽しめない」などの思考に陥りやすくなります
- 人生への疑問と将来への不安
- 中年期になると、様々な思いや考えがよぎるようになります。「まだまだ先だと思っていた定年退職という言葉が急に現実味をおびてきた」「仕事をやめたら、行く場所がなくなる」「実力をつけてきた若手の台頭による底知れぬ不安感」「自分の人生これでよかったのだろうか」このように、自分の人生の意味や意義を問い直し、将来への不安が高まります
- モチベーションと意欲の低下
- ミッドライフクライシスになると、以下のような症状が現れることがあります
- 気分が落ち込む
- 趣味が楽しめなくなる
- 好きなことでもやる気が起きない
- 何をするのもおっくうに感じる
- 涙もろくなる
- 無気力感や無感動といった症状も見られます
ミッドライフクライシスの行動的な症状
- 突発的な行動
- これまでとは異なる人生を歩みたいという欲求から、突発的な行動を取ることがあります
- 急に職を辞める
- 家を売却する
- 突発的な旅行に出かける
- 不倫や家出などの行動
- これらの行動は一時的な満足感を得ることが目的ですが、長期的な視点ではあまり効果がないことが多いです。
- 過剰な若返り願望
- ミッドライフクライシスに直面すると、若さを取り戻そうとする衝動が生まれることがあります。外見を気にしすぎたり、若々しいファッションやライフスタイルに固執したりすることが多くなります
- 身体的な症状
- ミッドライフクライシスは心理的な問題だけでなく、身体的な変化や不調としても現れます:
- 体力の衰えを感じる
- 睡眠をとっても、スッキリ起きられない
- なんとなく気だるい感覚と目のかすみを覚える
- なかなか眠れない、途中で目が覚める
- 疲れやすくなる
- 頭痛や腹痛、動悸や息切れ、めまいがする
- ストレスによって自律神経系や内分泌系、免疫系のバランスが崩れ、身体的な症状を引き起こす場合もあります
- 社会的な症状
- ミッドライフクライシスは社会生活にも影響を及ぼします:
- 遅刻・早退・欠勤が増える
- 今までになかったミスが増える
- 仕事の効率が落ちる
- 生活動作が遅くなる
- 周囲との関わりを避ける
- 人間関係のトラブルを起こす
- 飲酒量が増える
- これらの症状によって、職場不適応症やアルコール依存症などのリスクが高まることがあります
さいごに
20年以上の小売業でのキャリアを通じて、さまざまなプロジェクトを経験し、多くの成功と失敗を積み重ねてきました。このブログでは、同じような立場の皆さんと共に、人生設計やメンタルヘルスの重要性について考え、共有していきたいと思っています。特に、40代というキャリアの節目において、どのように経済的自由を追求し、心身の健康を保つかについて、自身の経験と学びを元に情報を発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。